2021.04.16 1日350円で乗り放題!「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」で行く下町散策(北千住編)
下町で使える1日あたり350円のフリーパス「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」。今回は足立区最大の繁華街にして日光街道の宿場町・北千住へ。今も江戸時代の名残が残る千住大橋周辺の他、都内で5本の指に入るハンバーガーショップなど、歩いてみたくなる北千住の様子をお送りします!
日光街道の宿場町、学術文教都市、昔ながらの下町。様々な顔を持つ北千住の魅力
前回の堀切駅からさらに北に2駅。足立区最大のターミナル駅・北千住へとやってきました。写真は東京メトロ日比谷線・東武伊勢崎線のホームです。東京メトロは日比谷線のほか千代田線、半蔵門線(東武伊勢崎線経由)が乗り入れており、千代田線以外は東武との直通運転が行われています。
そのほか常磐線、つくばエクスプレスも乗り入れているためか、西口の駅ビルも立派な作りです。実は駅の利用者数が世界第6位という噂がありますが、果たして。
西口のペデストリアンデッキには、北千住を代表する商業施設「千住ミルディス」が。ミルディスという言葉はフランス語で「1010」を意味するそうです。メインテナントが北千住マルイ(OIOIを逆にすると1010に)というのがまた面白いですね。
ペデストリアンデッキの下はバスターミナルになっており、ここから様々な方面にバスが出ています。日暮里・舎人ライナーやつくばエクスプレスが開業して便利になった足立区ですが、まだまだバスの需要も大きく、鉄道では行きにくい場所への足となっています。
一方、東口は駅前からすぐ商店街になりますが、最近は東京電機大学のキャンパスが移転してくるなど、学生街としての側面も強くなってきているのが特徴です。
東口を少し歩くと柳原地区に入ります。北千住から徒歩数分ながら、下町の雰囲気が強く残るエリアです。
町中には、昔懐かしい瓦造りの銭湯も。「大和湯」というそうです。
1599年の創建と伝えられる「柳原稲荷神社」。一見すると柳原地区の氏神さまといった佇まいですが、実は社殿は北東を向いています。上野の寛永寺と同じく、江戸に対する鬼門封じの役割があったのかも。
地区の東側は荒川に面しているため、堀切と同じく河川敷散策もできます。密集もないので、河川敷をのんびり散策したり、ジョギングとかも良さそうですね。
東側まで紹介したところで、連絡通路を通って再び西口へ。写真にするとちょっとSF感があるような。
西口のアーケード街へ。足立区を代表する商店街ですね。駅から西に伸びる北千住駅前通りと、南北に伸びる旧日光街道沿いに、多くのお店があります。
現在はヨークフーズ千住店になっているイトーヨーカドー1号店も、北千住駅前通り沿いにあります。1968年の開業ですが、社史を見る限り前身となる羊華堂自体はもっと前から北千住にあったようです。
一方、旧日光街道は駅前通りと交差する形で南北に走っています。元々が宿場町だったためか、北側には「宿場町通り」という名前がついています。
一方、南側には「千住ほんちょう商店街」という名前が。今回はここから南に向かって散策してみましょう。
南北合わせると結構な長さの商店街で、お店もバラエティに富んでいます。激安系のお店が多いのは浅草・上野あたりと似ているかもしれません。
1個10円の揚げ餃子を売っている「惣菜かざま」。初めて見たときは結構な衝撃でした。
その他、北千住の歴史的背景を体感できるのも旧日光街道の魅力です。しばらく歩いていくとお店の数が減り、雰囲気が変わってきます。
位置的には千住大橋の北側に位置するこの辺は「千住河原町」と呼ばれ、江戸から昭和にかけて青物問屋が多く存在していました。当時を偲ばせる説明が至る所にあります。
もう少し詳しく知りたくなったので、通り沿いにある「千住宿歴史プチテラス」へ。入場無料の資料館です。
建物自体も昔の蔵を改装して作られており、当時の資料と市場の成り立ちなどが説明されています。
ちなみに現在は足立市場として集約されていますが、取扱品は鮮魚がメインになっています。物販や飲食店もあり、特にランチは評価の高い店もあるので、海の幸が好きな方なら狙い目のスポットかもしれないですね。
資料館からさらに南に進むと、日光街道となる国道4号に合流します。向こう側には鉄橋仕立ての千住大橋が。
千住大橋は、松尾芭蕉の紀行文「おくのほそ道」の矢立始めの地として知られ、付近には像や石碑などもあります。
橋の北側には京成線の千住大橋駅や石洞美術館もあり、距離的に都心に近いこともあって再開発が進んでいます。JRの駅から微妙に遠い点を除けばなかなかの立地なだけに、そのうち移動手段がテコ入れされるかもしれないですね。
千住大橋を渡って荒川区へ。日光街道ということもあって、隅田川に最初に架けられた橋と言われています。現在の鉄橋は、関東大震災の1927年に作られました。他もそうですが、明治以前に架けられた木橋が大震災で一掃され、その後の鉄橋が現在まで残っている感じでしょうか。
橋を渡って南に進むと分かれ道が。左に進むと南千住、右に進むと三ノ輪に出ます。今回は右へ。
もう1件、分かれ道の付け根にある古社を紹介しておきましょう。素盞雄神社という、創建1200年以上を誇る神社があります。
訪れた時期が3月だったため、社殿内にはお雛様が飾られていました。その他、場所が場所だけに松尾芭蕉旅立ちの碑もあり、こちらは荒川区の荒川区指定有形文化財になっています。
常磐線の線路が見えてくると、散策もそろそろ終点です。線路の手前に都電荒川線の三ノ輪橋駅、向こう側には東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅があります。
三ノ輪・南千住周辺もなかなか歴史の深いエリアなのですが、区切りが良いのでこちらの解説は次回に。北千住からの徒歩散策としても、ちょうど良い距離かと思います。
旨さなら東京でも五指に入る? 最高峰のアメリカンハンバーガー「サニーダイナー」の魅力
さて、ここまで北千住の街並みや歴史的背景を紹介してきましたが、どうしても1軒紹介したいグルメスポットがあります。実は北千住で、超本格ハンバーガーを食べられるお店があるのをご存知でしょうか。ここからは、北千住に本店があるハンバーガー「サニーダイナー」をご紹介します。
北千住西口から徒歩約5分、サニーダイナーの本店にやってきました。駅前通りからも旧日光街道からも微妙に外れているので、少し見つけにくいかもしれません。紹介訪問時はgoogle mapで場所を確認するのがオススメです。
店内には、写真素材で出てきそうなレベルのコルクボードが。こうした小物に限らず、内装もアメリカンな雰囲気を壊さないよう配慮されていて、味だけでなく「味わう」体験を重視していることが伺えます。
今回は、サニーダイナーの中でも人気のメニュー「ベーコンエッグチーズバーガー」をオーダー。税抜1,380円で、+100円でポテトを増量できます。マシマシにした結果は・・・ご覧の通り。
「お前さん、そんなに食うんかいな」左の人形の表情がまたいい味出してますね。
肝心のバーガーの方は、野菜・パティともに鮮度が素晴らしく、ポテトを含め味付けもしつこくなく、何度もリピートしたくなります。なかなか強気な価格設定ながら、それも納得の味、と言えるでしょう。
アメリカンな内装でいただく本格ハンバーガー。いいですねえ。こんなご時世ですが、時期が良ければ複数人でワイワイ楽しむのにも良さそうなお店です。
普通の水にもレモンが入っているなどの、ちょっとしたサービスもGood。
あっという間に完食。あまりにも美味しすぎるので、普段はチェーン店で我慢しておいて、とっておきの1軒としてブックマークしておく方が良いかもしれません。まさにハンバーガー界の切り札、エース級と呼ぶにふさわしいお店です。
ちなみにサニーダイナーは北千住駅ビルのルミネにも入っているので、お時間のない方はこちらで味わうこともできます。東京有数の本格アメリカンバーガー。北千住にお越しの際は一度食べてみてはいかがでしょうか。
今回は日光街道の宿場町にして足立区最大のターミナル・北千住駅を紹介しました。次回は再び南に進んで荒川区へ。都電の終着地でもある三ノ輪と、南千住の町歩きをお送りします。