2022.01.30 都心からお台場まで無料で行ける! 実証実験中の「江戸ひとめぐりバス」に乗ってみた
レインボーブリッジやゆりかもめが開業した90年代中頃あたりから、東京臨海副都心として開発が進んできた、お台場。土地が大規模な施設が多いものの、交通費の高さがネックになっている地域でもあります。りんかい線も新交通ゆりかもめも運賃が高い上に、他社線から乗り換えるのがこれまた割高なんですよね。
今回ご紹介する「江戸ひとめぐりバス」は、お台場を経由するルートながら運賃無料という、お台場の交通費問題を解決してくれそうな移動手段です。2021年12月24日〜2022年2月13日という短期運用ながら様々な特典が用意されたシャトルバスの魅力を、実際の車窓とセットでお送りします!
完全予約制だから停留所にムダがない?「江戸ひとめぐりバス」の運行ルート
江戸ひとめぐりバスは、都心にある三井不動産グループのホテルや商業施設を周遊するバスで、2022年2月13日までの金曜〜月曜に運行しています。特筆すべきは運行ルートで、銀座・日本橋といった都心と、豊洲・お台場などのベイエリアを結んでいて、無料で利用することができます(三井不動産の商業施設を利用するという条件付きですが)。
乗車には「SWAT JP」というアプリをインストールの上、アプリから予約が必要ですが、バス到着までの待ち時間が表示されるため、バス停でのタイムロスが少ないという利点もあります。
SWAT JPの紹介はこちら
アプリから乗車予約、という点は都バスに慣れていると面喰らいそうですが、待ち時間がリアルタイムで更新されるのは、思いのほか有り難かったりします。それでは、実際に乗車してみましょう。
銀座中央通りからお台場の中心地へ。実際にバスで一周してみました
本日のスタート地点、銀座ベルビア館へ。東京メトロ有楽町線の銀座一丁目駅が最寄りですが、丸の内線・銀座線・日比谷線の銀座駅からも徒歩数分の施設です。6Fまではロフトが入っていますが7F以上はレストランのため、ランチやディナーにも使えます。
バスの発着場所は裏手のため、建物の反対側へ。細い一方通行の路地です。銀座周辺は一通が多いため、ルート選びとか苦労しそうですね。歩行者天国もありますし。
あらかじめアプリで到着時間を見ていたので、数分の待ち時間で乗車できました。都バスとかだとダイヤ通りに来なくてヤキモキすることもあるのですが、アプリだと目の前の商業施設で時間を有意義に使えるのがいいですね。
乗車時には手元のアプリで乗車確認をするほか、乗車後のアンケートへのお願いもありました。アプリのバグの報告とかもこちらから。
また、車内ではアーバンドックららぽーと豊洲とダイバーシティ東京プラザのクーポンを配布していました。そこそこ良い特典も付いているので、ありがたく頂いておきましょう。
銀座ベルビア館から約15分、日本橋三井タワーに到着しました。三井本館の隣に建てられた、三井グループの本拠地ともいえる場所です。
円山応挙の「雪松図屏風」を所蔵している三井記念美術館も同じ建物にあります。現在は休館中で、2022年4月29日から営業再開予定となっています。当ブログでも紹介した「東京・ミュージアムぐるっとパス」が使えるので、再開したら購入しようという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
目の前の中央通りは、新橋から上野までひと続きになっている、日本の商業の中心地ともいえる場所で、新旧様々なお店が集まっています。三重テラスをはじめ、地方のアンテナショップが多いのも特徴です。
周辺の施設もいくつか紹介しましょう。まずは日本橋三井タワーの北に面した「コレド室町テラス」。2Fに台湾発祥の書店「誠品生活日本橋」が入るなど、割と個性強めのお店が多いです。
以前当ブログで紹介した「ISHIYA NIHONBASHI」も同じ場所にあります。パンケーキが長蛇の列の人気店ですね。
中央通りの反対側には、コレド室町1・2・3があります。ナンバリングの通り全部で3棟あり、地下でつながっているので地上より地下の方が行き来が楽だったりします。
テナントも無印良品があるあたりハイエンド一辺倒ではなく、比較的リーズナブルなラインナップとなっています。レストランの方は陳建一氏の中華料理店「四川飯店」が入っていたりとクオリティは高めです。
また、中央通りの地下には案内所があり、当日バスに乗車した方限定で200円商品券がもらえます。コレド室町・コレド日本橋限定ながら、ものみゆさんくーぽんの1,000円引き券と併用できるのもありがたいですね。
コレド室町を一通り見たら、バスで次のスポットへ。日本橋経由で豊洲に向かいます。
ちなみに、コレド室町前のバス停にはメトロリンク日本橋、メトロリンク日本橋eラインが走っており、どちらも無料で利用することができます。無料バスが3路線も発着するバス停というのも珍しいのではないでしょうか。いずれも本数は多めなので、ちょっとした移動にどうぞ。
道路の向かい側にある三井本館、日本橋三越本店を横目に日本橋方面へ。どちらも昭和初期に建てられた重要文化財で、関東大震災後の都市景観の変化を象徴する建物となっています。ここに限らず、現在残っている古いビルや橋は昭和初期のものが多いですね。
バスに乗ること数分、コレド日本橋に到着しました。コレド室町からは歩いて行ける程度の距離なので今回はそのまま乗車します。商業施設としては、コレド室町とは違い1棟のみのためラインナップは控えめ。一応テナントは他の商業施設と被らないよう配慮はされています。
日本橋の交差点を左折して、八丁堀方面へ。しばらく走ると高い建物が目立ってきます。
有楽町線月島駅周辺を経由して豊洲へ。都心と比べると道が広く、大企業の本社も多い一帯です。
アーバンドック ららぽーと豊洲前に到着。ここで運転手が交代することが多いようで、停車時間が長めに取られています。
アーバンドック ららぽーと豊洲は2006年に開業した商業施設で、ゆりかもめの豊洲延伸とセットでよく話題になりました。名前の通り、IHIの造船ドックの跡地に建設された施設で、当時の造船用クレーンが現在も残されています。商業施設としては、大規模ながら駅直結なのがポイント高いですね。マイカーのない都民にとっては、隣のスーパービバホーム豊洲店ともども頼りになる存在です。
豊洲を出ると、いよいよバスはお台場方面へ。有楽町線豊洲駅がある交差点を南に進みます。
途中イオン東雲店を通過して、りんかい線東雲駅の目の前を右折。ここから先はりんかい線と並走します。
りんかい線国際展示場駅付近にある、パナソニックセンター東京。ショールームのほか、子ども向けのイベントが多い開催されています。建物の向こうには都内最大のイベント会場・東京ビッグサイトがあります。
さらに先に進み、パレットタウンの観覧車が見えてきました。手前にある東京ビッグサイト青海展示場は2019年に開業した仮設展示棟で、2022年3月に解体される予定です。パレットタウン自身も同月営業終了のため、この車窓が見られるのもあとわずかです。
豊洲から約15分、ダイバーシティ東京プラザに到着しました。施設が定休日でない限りは、敷地内に停まるようです。
ダイバーシティ東京プラザが開業したのは2012年。お台場は21世紀に入ってから商業施設の建設が途絶えていたため、当時はお台場の変化を象徴する施設として注目されました。先行する施設と比べて、ダイソーやマツモトキヨシ、ラウンドワンなどの生活密着型のテナントが多いほか、エンタメ系のお店をよく見かけます。
そして、ダイバーシティ東京プラザの顔ともいえるのが、実寸大ガンダム。写真に撮ってみると、思いの外後ろの建物とのバランスがいいですね、開業当初は初代ガンダムだったのですが2017年に撤去され、現在はユニコーンガンダムが展示されています。
この辺で、周辺施設も軽く紹介しておきましょう。まずは2000年に開業したアクアシティお台場。フジテレビとは道路を挟んだ向かい側にあります。
施設の北側に面したお台場海浜公園には、なぜか自由の女神が。本物の1/7スケールだそうです。
アクアシティお台場の隣に立っているのが、1996年に開業したお台場発の商業施設、デックス東京ビーチです。東京ジョイポリスは開業当初から入っているものの、他の施設は結構入れ替わっている印象があります。
また、両施設から少し離れた南側には、1999年に開業したパレットタウンとヴィーナスフォートがあります。併設されていたトヨタのメガウェブは、専用のコースで試乗もできる大規模なトヨタ車のショールームだったのですが、2021年に閉鎖されました。先程のパレットタウンも含め、残りの施設も2022年3月に営業終了が決定しているため、ダイバーシティ東京プラザに寄るついでに見納めしても良いかもしれないですね。
一通りお台場を見終わったところで、再びバスに乗車。レインボーブリッジは通らず、豊洲市場の横を通って晴海へ。
そのまま勝鬨橋を通り、都営浅草線・東京メトロ日比谷線の東銀座駅で停車します。ちょうどミレニアム 三井ガーデンホテル東京の目の前ですね。宿泊客向けの停留所と言えるでしょう。
停車は東銀座駅なものの、銀座駅までの距離は徒歩数分で、銀座の歩行者天国へのアクセスは有楽町駅と同程度といった感じです。十分実用に耐えるでしょう。
東銀座駅を出てさらに数分、銀座ベルビア館に戻ってきました。これにて一周となります。乗車後はアンケートへの回答をお忘れなく。
都心からお台場まで無料で移動できる「江戸ひとめぐりバス」いかがだったでしょうか。現在は試験運行中のため無料ですが、正式登場後は有料になる可能性もあります。2022年2月13日まで運行していますので、気になる方は無料のうちに、一度乗ってみてはいかがでしょうか。