2023.05.23 川崎市の隠れた夜景スポット? 京浜工業地帯が一望できる東扇島の「川崎マリエン」
東京23区と横浜市の間に位置する、人口150万を擁する神奈川県川崎市。JR川崎駅直結の商業施設「ラゾーナ川崎」や、タワーマンションが林立する武蔵小杉駅など、都心への近さで近年再開発が進んでいるエリアでもあります。しかし、沿岸部には大規模な工業地帯があり、気軽に市バスでアクセスできるのをご存知でしょうか。
今回は、川崎市の沿岸部に位置する東扇島(ひがしおおぎしま)の施設「川崎マリエン」を訪れてみました。京浜工業地帯が一望できる大パノラマが魅力の、川崎マリエンの展望塔。昼と夜の二つの景色をご紹介します!
埋立地に作られた展望施設。市バスが便利な東扇島の「川崎マリエン」とは
京浜工業地帯の発展とともに、海へと市域が広がっていった歴史を持つ、川崎市。川崎市港湾振興会館——通称・川崎マリエンは、そんな工業地帯の一角を占める人工島・東扇島に作られました。特筆すべきは、その立地。百聞は一見に如かず・・・ということで、まずは地図をご覧ください。
ご覧の通り、駅から結構離れた、車がないと不便そうな場所にあります。用事がないと、なかなか行かなそうですね。しかし、朝と夕方を中心に市バスが運行しており、川崎駅から気軽に訪れることができます。付近は工場がほとんどを占め、駅前とは違った眺めも魅力です。早速行ってみましょう。
うねるパイプに地下トンネル。ちょっとした小旅行気分が味わえる東扇島への道のり

まずは、本日の起点・JR川崎駅へ。京浜急行電鉄の京急川崎駅も近くにあります。

地下街を通って、駅前のバスターミナルへ。京急大師線やJR南武線、JR鶴見線などが市内を走る川崎市ですが、今回行く東扇島などの鉄道空白地帯には、バスが運行しています。

東扇島循環のバスに乗車。運賃は220円ですが1日乗車券があり、550円で何回でも乗ることができます。今日は昼と夜の2往復する予定なので1日券で。

川崎市バスの魅力の一つ、湾岸の工業地帯へ。川崎スチームネットのうねるパイプを横目に、バスは川崎港海底トンネルへ。

1992年に川崎マリエンが開業するまでは、一般車用通行禁止だったこちらの海底トンネル。信号がないので、渋滞しなければ高速バスのような快適さがありますね。

トンネルの出口には、「ようこそ、東扇島へ」の文字が。川崎駅前からここまで大体30分くらいです。

バス停「川崎マリエン前」で下車。ちなみに乗ってきたバスは東扇島循環系統なので、島を一周してから川崎駅に引き返します。

目の前にある、中央が大きく空洞になっているビルが、川崎市のコミュニティ施設「川崎マリエン」です。無骨ながらお金がかかってそうな建て付けが、いかにも”ハコモノ”という感じで、江戸東京博物館なんかと似た雰囲気を漂わせます。早速入ってみましょう。
京浜工業地帯を一望できる入場無料の展望室。昼と夕方で景色が変わるのも魅力

川崎マリエンは入り口が2つあり、左が業務棟、右が交流棟となっています。今回は交流棟へ。

交流棟入口。手前には「川崎市港湾振興会館 交流棟」と書かれています。川崎マリエンの正式名称ですね。

エレベーターに乗って展望室へ。

展望室は商業施設にありがちな飾りなどはなく、シンプルな作りです。入場料無料というのがお財布に優しいですね。

観光地というよりはオフィスのような佇まい。昼間なのか人も少ないです。

ちなみに一つ下のフロアにはリフレッシュスペースもあります。今回は利用しませんでしたが、景色を見ながら一休みするのもいいかも。

ここからは展望室からの眺めを紹介していきましょう。まずは東京湾。日本屈指の取引額を誇る東京港が近いためか、目の前を貨物船がよく通ります。

船の向こうには、東京湾アクアラインと海ほたるの姿も。入り口がすぐ隣の浮島町にあるためか、割と近くで見ることができます。

東京湾アクアラインの排気口、通称「風の塔」もバッチリ撮れます。

一方反対側には、川崎の工業地帯が。手前の公園は、川崎マリエンとセットで整備された東扇島中公園で、テニスコートやビーチバレー場もあります。

遠くには、港に不可欠なクレーン群が。川崎駅前では見ることができない、川崎市のもう一つの風景です。こうして上から眺めていると、物流のダイナミズムというか、街が生きているという実感が湧きますね。


その他、川崎マリエンには川崎港の成り立ちを映像で紹介している「マリエンシアター」や、かつては海苔の養殖場でもあった川崎市の歴史の展示スペースなどもあります。時間に余裕のある方はこちらもぜひ。

さて、ここからは川崎マリエンのもう一つの魅力、夜景をご紹介したいと思います。いったん川崎駅まで戻って、再び施設までやってきました。

周囲には高層建築がないため、夕焼けもご覧の通り。工場を照らす夕日って、引き込まれまるような情緒がある気がします。不思議ですね。

昼間紹介した東扇島中公園も、ライトアップされてご覧の通りに。

SUBARUの看板の下、整然と並べられた自動車たち。輸出用でしょうか、それとも・・・。

ちなみに期待していた工場の夜景については、操業時間外だったのかあまりパッとしない感じでした。夕焼けの時間に来るのが一番良さそうですね。

一通り見終わったので、バスて川崎駅へ。帰りは信号を一つ渡った先のJERA東扇島から乗車しました。こちらのほうが系統の関係で本数が多いです。

JERA東扇島バス停の時刻表。多いときと少ないときの差が大きいですね。ラッシュ時の銀座線並みの本数にはちょっと驚かされます。

今回は、工業都市としての川崎を一望できる「川崎マリエン」をご紹介しました。普段なかなか行かない場所にありますが、バスの一日乗車券があれば気軽にアクセスできます。川崎駅だけでなく、武蔵小杉駅あたりからも市バスで来れますので、興味のある方は一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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