2023.08.02 日本一の大灯籠が街を練り歩く! バスケと木材の町・能代市の夏を彩る「天空の不夜城」
東北三大祭りを初め、それぞれの町で特色ある祭りが行われる8月は、東北がもっとも活気づく時期です。以前、当ブログで五所川原の立佞武多をご紹介しましたが、同じ五能線沿線に似たような経緯で復活した祭りがあるのご存知でしょうか。今回は、かつて北前船の寄港地として賑わった港町・能代市で100年ぶりに復活した大灯籠「天空の不夜城」をご紹介します!
巨大灯籠が町を練り歩いた”木都”能代市。2013年に復活した「天空の不夜城」とは
かつて北前船を通じて全国に良質な木材を供給した、能代市。灯籠を使った七夕行事は古くから行われていましたが、現在見られるような巨大灯籠になったのは江戸時代後期の天保年間(1830年~1844年)で、高さは17.6mあったそうです(能代七夕の歴史はこちら)。
しかし、近代化が進むとともに街には電線が張り巡らされ、灯籠は縮小を余儀なくされました。この辺りの経緯は、立佞武多に似ていますね。その後、電線の地中化が実現したため、2013年にはおよそ100年ぶりの大型灯籠「嘉六(かろく)」が完成。翌2014年には日本一の高さ(24.1m)を誇る「愛季(ちかすえ)」が完成し、かつてを上回る規模で開催されるようになりました。2023年は8月2日、3日に運行されます。
秋田の短い夏に華を添える、能代の七夕。今回は、当日の様子を2022年の写真でお送りします。早速行ってみましょう。
秋田市の北に位置する、バスケと材木、大灯籠の町。竿灯やねぶたとの周遊もオススメな「天空の不夜城」
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祭りの最寄駅となる、JR五能線・能代駅へ。秋田駅からは約1時間30分、弘前駅からは約2時間、五所川原駅からは約3時間の位置にあります。
ちなみにgooglemapで見ると、秋田市のほぼ真北にあります。同じ五能線沿線ですが五所川原からは距離があるので、ホテルをとるなら大館あたりがオススメでしょうか。基本的に祭り時期のホテルは高額になるので、少し離れたところに泊まる方が安く済むことが多いです。
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能代駅の外観。奥羽本線から五能線に乗り継いで一駅というアクセスですが、接続自体は比較的良好です。
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駅構内には、本日の主役となる大灯籠のミニチュアが。バスケの街だけあって右のホワイトボードにはスポーツ関連の書き込みが多いですね。
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駅から町の中心部までは徒歩10分程度なので、歩きで。どことなくモノクロームな雰囲気が漂う街並みです。
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町の中心部のアーケード街へ。買い物がイオン能代店で済むため、居酒屋系のお店が多い印象です。
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祭りの開始まで少し時間があったので、能代バスケミュージアムへ。2012年の開館当初は駅の近くにあったのですが、2020年に現在のアーケード街に移転しました。
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館内は秋田ノーザンハピネッツやJR東日本秋田バスケットボール部といった、地元のチームや実業団の活躍を主に展示しています。実は、秋田県は全国有数のバスケ人気を誇る県で、漫画「SLAM DUNK」で圧倒的存在感を誇った山王工業高校のモデルとされる高校「秋田県立能代工業高等学校(現・秋田県立能代科学技術高等学校)」を擁するなど、全国からバスケットボールプレーヤーが集まる県としても知られています。
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館内には漫画コーナーもあり、バスケ漫画がズラリ。もちろんSLAM DUNKもあります。最近新作映画が公開されたので、リバイバルヒットとかありそうですね。
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ちなみに能代駅のホームにはバスケットゴールもあり、全国でも珍しい「フリースローができる駅」となっています。シュートに自信のある方も、そうでない方もぜひ一度。
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開始時間が近いので、祭りのスタート地点となる、中央近隣公園(けやき公園)へ。既に灯籠がスタンバイしています。
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スポンサーのみなさま。他の夏祭り同様、天空の不夜城も多くの方の協力で成り立っています。
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会場には屋台もありますが、やはりメインは灯籠なのか、規模は控えめです。とはいえ雰囲気的には十分といったところ。
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その他有料の指定席もあり、座ってじっくり見たい方にはオススメです。2022年は当日でも空きがありましたが、今年は満席だそうで。いい感じに賑わっていますね。
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ここで、主役となる灯籠の紹介もしておきましょう。まずは日本一の高さを誇る「愛季(ちかすえ)」。能代市のランドマーク的な存在も兼ねていそうな佇まいです。
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愛季とは対照的に、青を多く使った灯籠が100年前の復元品となる「嘉六(かろく)」。モデルは名古屋城だそうです。そういえば、2基とも上にしゃちほこが乗っていますね。
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そうこうしているうちに開始時間に。灯籠が動き出しました。
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道路に並び立つ、「愛季」と「嘉六」。どことなく無彩色な街並みに、派手な色使いがよく映えます。
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国道101号線をイオン能代店方面にむかう大灯籠。地元の学生さんが多いですね。
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先述の2基の大灯籠の他、従来七夕で運行されていた小型灯籠が2基あり、そちらも併せて運行されます。こちらもサイズ的には弘前ねぷたより大きいのですが、どうしても脇役感は出てしまいますね。脇役がいるから主役が引き立つとも言えますが。
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よって、現在天空の不夜城で運行されているのは、大型+小型の計4基となります。現在の形式になってから日が浅いためか、規模自体は五所川原あたりより控えめですね。今後の規模拡大が待たれます。
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祭りのメイン会場となる、イオン能代店前。ゆっくり近づいてくる灯籠たちをのんびり待ちます。あくまで2022年の話ですが、ねぶたや竿灯と比べると人通りもかなり控えめで、微妙なユルさも魅力です。
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あたりが暗くなるにつれて、灯籠の明かりが目立ってきます。
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従来型の灯籠。それぞれ「一中若」「能代若」とあります。一中若とは能代市立能代第一中学校が「おなごりフェスティバル」という行事で出品していた手作り灯籠が元になっているそうです。おなごりフェスティバル自体は2019年で終了したため、天空の不夜城に名前が引き継がれている、といったところでしょうか。
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イオン能代店前を通る、本日の主役。巨大建造物って、人を引きつける魅力がありますよね。
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「愛季」も「嘉六」も、反重力的な形状をしているため、近くで見ると独特の浮遊感があります。モデルがねぶたのような人物ではなく建物なのもそう感じる理由かもしれません。
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足元には、能代の「売り」がきっちり書かれているのもポイント高いですね。普段気づかない能代市の別の一面を知るきっかけになるかも。
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その他、灯籠運行とセットで笛・太鼓の演奏やダンスなどの実演も。プロ集団の竿灯と比べると総じて手作り感があり、親しみやすさがあります。
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ここからは、能代の夜空を彩る灯籠の写真を何枚か。どれもいい味出してますね。
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大灯籠は運行ルートが限られているためか、国道101号をある程度進むとUターンして戻ってきます。基本的にはイオン前を行ったりきたり、といった感じです。
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タイミング次第では灯籠2基のツーショットも。
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およそ1時間半ほどの運行ののち、最後はイオン前の交差点でお開き。普段人影がまばらな能代市街ですが、この時ばかりは黒山の人だかり。いや〜祭りっていいですねえ。
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この後は元の場所に灯籠を戻すのですが、電車の時間があるのでこの辺で撤収。
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最後は臨時列車でホテルへと帰還。当日は臨時列車もあるので、マイカーよりも鉄道がSDGsでオススメです。お疲れ様でした〜。
今回は能代の夏を彩る七夕「天空の不夜城」をお送りしました。巨大灯籠が運行されてから10年ほどのため、まだまだ発展途上といった趣も漂いますが、実物は立佞武多に勝るとも劣らないインパクトがあります。日程も被らないように配慮されていますので、気になる方は秋田・弘前・五所川原などとセットで、訪れてみてはいかがでしょうか。
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