2021.06.06 +500円で所沢-西武秩父を快適移動! 西武の新型車両「ラビュー」の設備が素晴らし過ぎた件について
新宿・池袋を起点に、西東京から埼玉にかけての交通の足として親しまれる、西武鉄道。特急型車両としては「レッドアロー号」が長らく親しまれてきましたが、2019年からは西武001系電車「Laview(ラビュー)」という新型車両に置き換わっています。しかしコロナの影響もあって、本格導入されてから乗ったことがないという方も、いらっしゃるのでは?
そこで今回は、今更ながらラビューの魅力を、車内設備を中心にご紹介したいと思います。一部のスペックは新幹線以上といっても過言ではない、西武の新型特急。実際の乗車体験とセットでお送りします!
所沢から乗車すれば特急料金は500円。西武秩父線の単線区間もストレスフリーな移動に
「ラビュー」は池袋駅から西武秩父駅まで運行している特急「ちちぶ」に使用されており、乗車区間の運賃+特急料金で乗車することができます。池袋-西武秩父間は76.8kmとそれなりに距離があるのですが、特急料金は意外とリーズナブルだったりします。以下、主要な駅の特急料金をまとめてみました。
池袋駅 | 所沢駅 | 飯能駅 | 西武秩父駅 | |
---|---|---|---|---|
池袋駅 | 400円 | 500円 | 710円 | |
所沢駅 | 400円 | 400円 | 500円 | |
飯能駅 | 500円 | 400円 | 400円 | |
西武秩父駅 | 710円 | 500円 | 400円 |
始発の池袋から乗っても+710円、所沢-西武秩父なら+500円というのがポイントで、JRや他社の特急と比べて比較的割安で乗ることができます。所要時間についても見てみましょう。
池袋からの種別ごとの所要時間を見ると、池袋ー所沢間ではあまり差がなく(特急と急行で約2分差)、一方で西武秩父になると24分の差がつくので、節約するなら所沢から特急に乗るのもオススメです。それでは、実際に乗ってみましょう。
シャワートイレにコンセント完備の座席。快適性が追求された特急「ラビュー」の設備
今回のスタート地点、池袋へ。JR、東京メトロ、東武鉄道、そして西武鉄道が乗り入れる山の手の3大ターミナル駅の一つです。
ラビューの先頭車両。他の列車と比べるとかなり未来的なフォルムで、メタリックな車体はどことなくApple製品を想起させます。
窓が非常に大きく取られているのも特徴で、天井近くから足元まで車窓を楽しむことができます。とはいえ、今回は所沢駅から乗車するため、いったん撮るだけにします。
所沢駅までは在来線車両で。現在主流となっている30000系「スマイルトレイン」ですね。個人的には最新の40000系より気に入っています。
所沢駅に到着。今回乗ったのは急行より停車駅の多い「快速」で、特急からは7分ほど遅れます。
所沢駅からは特急「ちちぶ」で西武秩父へ。特急料金は500円で、ホーム上の券売機で購入しないと200円増しになりますので、事前購入しておきましょう。
ちなみに有楽町線・副都心線から直接西武池袋線に乗り入れる列車もありますが、その場合小竹向原駅から西武線に入るため、所沢から特急に乗ることになります。東京メトロの運賃の安さも考えると、地下鉄から直通で所沢に行くのも十分ありですね。
券売機で指定された座席に座って、出発。西武秩父までの所要時間は約1時間です。ここからは車内設備について一通りご紹介します。
座席は曲線が多用されたリクライニングシート。座っていても疲れを感じさせにくい作りです。
足元にはコンセントも完備。PCのバッテリーを気にせず作業ができます。
ロングシートだとなかなか作業しようって気にならなくて困るのですが、この時ばかりはPCを開いて更新が捗りました。ビジネスユースもよく考えられていると思います。
続いては列車の共有部分を見るため、いったん離席。
お手洗いは、なんとシャワートイレ。ここについては新幹線より優秀と言えるでしょう。お手入れもちゃんとされています。
また、車内のモニターは行先の情報の他に、車外カメラの映像を見ることができます。モニターは席の前後についているため、前後左右全ての車窓を楽しめるわけですね。お子さんが喜びそうな設備です。
そうこうしているうちに列車は飯能を過ぎ、西武秩父線へ。線路も単線になり、車窓も急速に山深くなります。
特急の場合、飯能駅から終点の1駅手前の横瀬駅までノンストップですが、途中で特急同士の通過待ちをすることも。在来線の場合、特急の比じゃないくらい頻繁に停車しますので、西武秩父線は特急が最も輝く路線と言えるでしょう。裏を返せば、所沢・飯能までは特急のプライオリティがそれほど高くないともいえます。
飯能から西武秩父までの所要時間は、40分弱。荒々しい山肌が印象的な武甲山が見えてくれば、ゴールまであと少しです。
終点の西武秩父駅へ。特にイベントなどがなければ、席には比較的余裕があることが多いです。
メタリックな外見が本当にかっこいいですね。50年ぶりにブルーリボン賞を受賞したのもうなづけます。
西武秩父駅自体も2017年にリニューアルされ、温泉施設「祭の湯」を擁する複合型商業施設に生まれ変わりました。帰り際のお土産探しにも役立ちます。
最後は秩父の観光について少し。春には芝桜、秋には長瀞の紅葉、冬には秩父夜祭があり、総じて季節性のある観光資源が多いのが特徴です。気になる方は、秩父市の公式観光情報から探してみると、時期にあったイベントを見つけられるかもしれないですね。
今回は池袋と西武秩父を結ぶ新型特急「ラビュー」についてご紹介しました。西武鉄道は株主優待乗車証を金券ショップで比較的安く入手でき、400〜500円くらいで池袋から西武秩父まで移動することができます。特急とも組み合わせ可能ですので、片道1,000円以下で新型車両による快適なひと時を、過ごしてみてはいかがでしょうか。