2021.06.20 JR線路沿いが隠れた見所。渋沢栄一ゆかりの「飛鳥山公園」に咲く6月のあじさい
日本の資本主義の父・渋沢栄一ゆかりの地として知られる、飛鳥山公園。元々は享保年間にお花見用の場所として整備され、春には美しい桜を見ることができます。しかし、JRの線路沿いにあじさいが多く咲いているのをご存知でしょうか?
今回は、現在放映中の「晴天を衝け」大河ドラマ館も整備された飛鳥山公園の様子と、JR沿線に咲くあじさいの写真をセットでお送りします!
王子製紙の創業者でもある渋沢栄一。その足跡を辿ることができる飛鳥山の3つの博物館
飛鳥山の最寄り駅はいくつかあるのですが、今回はJR京浜東北線が通っている、王子駅へ。東京メトロ南北線、都電荒川線も通っているちょっとしたターミナル駅です。
都電荒川線の場合は「飛鳥山停留所」というのもあるのですが、実際はどちらを選んでもそれほど差はありません。便利な方をどうぞ。
現在放映中の大河ドラマ「蒼天を衝け」の主人公・渋沢栄一の邸宅が飛鳥山にあるだけあって、大々的にキャンペーンされていますね。
もはや「誰?」というレベルで美化された、渋沢さんの姿も。
さっそく飛鳥山公園へ。王子駅出発の場合、入り口まで坂を登る必要があるのですが、最近は無料のゴンドラが用意されています。
山頂駅のようす。時間にして2分程度ながら天気の良い日は行列することもあるので、混んでいる時は坂道を登った方が早いことも。
ちなみに、東京メトロ南北線の西ケ原駅から公園に向かうこともでき、その場合は坂の上から入場することになります。渋沢資料館や旧渋沢庭園が目的地なら西ケ原駅もおすすめです。
飛鳥山公園は元々桜の名所として整備された経緯がありますが、現在は他の花も多く植えられています。手入れが行き届いてますね。
まずは紙の博物館へ。王子周辺は日本を代表する製紙企業・王子製紙の創業の地としても知られ、その縁で飛鳥山公園に博物館が設けられています。東京・ミュージアムぐるっとパスも使用可能です。
中には日本の産業遺産ともいうべき貴重な機械類が勢ぞろい。さらに王子製紙の歴史についても紹介されています。元々和紙の文化があった日本ですが、それまで輸入品だった洋紙を国産化する目的で渋沢栄一自ら王子製紙を創業したことなどが語られています。紙も作ってたんですね、渋沢さん。
続いては、北区飛鳥山博物館へ。元々北区の歴史や文化を紹介しているスポットだったのですが、2021年は期間限定で「蒼天を衝け」の大河ドラマ館が設置されています。そのため、今年から東京・ミュージアムぐるっとパスが使えなくなるという事態に。無料では見られなくなりましたが、大河ドラマ好きの方はぜひ。
最後は旧渋沢庭園の晩香廬と青淵文庫へ。1879年から亡くなる1931年まで、実に52年間過ごした邸宅が公開されています。1945年の空襲により現在残存するのは2棟となっていますが、東京都庭園美術館の旧朝香宮邸のような、戦前のおしゃれな意匠の一端に触れることができます。渋沢資料館も併設されていますので、庭園とセットで散策してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、大河ドラマ館の影響かお土産屋ができています。諸々事情もあって今はあまり賑わっていませんが、今年の後半には繁盛しているかもしれないですね。
JR沿線の細い道が大人気。飛鳥山の下にある、あじさいの隠れた撮影スポット
さて、ここからは一般的な飛鳥山公園の紹介からは離れて、季節限定のフォトスポットをお送りしたいと思います。前述の通り桜の名所として知られる飛鳥山公園ですが、6月はあじさいの隠れた名所としても人気があります。まずは再び王子駅前へ。
少し気づきにくいですが、飛鳥山とJRの線路の間には狭い道があり、歩行者専用ながら通れるようになっています。入り口の時点で、既に良スポット感が漂っていますね。
すぐ脇をJR東北本線が全速力で駆け抜ける環境ながら、6月になると多くのフォトグラファーが集います。公道なため、入場無料というのも○。
咲いているあじさいはお馴染みのセイヨウアジサイが多めながら、日本在来種のガクアジサイもそこそこ咲いています。
ガクアジサイはボリュームにが欠けるものの、接写すると独特の味があるのがいいですね。単体で撮るときのモチーフに向いてそうな気がします。
逆にセイヨウアジサイは、群生しているところを撮る方が良いカットになりそうな感じ。近づきすぎるとちょっとクドめです。
遠くから上手くカラフルなカットが撮れるといい感じですね。
成長している過程がわかる一枚。
両手に花、というやつでしょうか。
昔ガクアジサイが別種ということを知らず、「あじさいの不良品」だと思っていた時期がありました。近づいてみると分かる、ガクアジサイの魅力。
何枚かまとめてご紹介。どのカットでもそれなりに見れる感じにはなりますが、色の変化などが入るとなお良し、といったところでしょうか。それなりに撮れたのでこの辺で退散。
帰りは王子のサンスクエアで小休止。ボウリング場・バッティングセンター・ゲームセンターなどを併設したラウンドワンみたいな施設ですが、運営は王子製紙。旧社宅跡に1972年に開業しており、王子製紙創業の地でもあります。敷地内に「洋紙発祥の地」の石碑もありますので、気になる方は探してみてはいかがでしょうか。
今回は、隠れたあじさいスポットとして知られる、飛鳥山公園をご紹介しました。渋沢栄一ゆかりの地として近年さらに注目度が高まっている飛鳥山ですが、季節ごとの見所も多くあります。アクセス手段も多く用意されていますので、東京メトロ24時間券や都電荒川線一日乗車の候補地としても、オススメです。