2021.02.13 1日350円で乗り放題!「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」で行く下町散策(概要編)
JR都区内パス、東京メトロ24時間券、都営バス一日乗車券、都営地下鉄ワンデーパス……。東京23区内には、使い勝手の良い乗り放題切符がいくつもあります。値段も500円〜800円程度とお手頃で、都民の足として日頃から親しまれています。しかし、それらを上回る1日あたり350円の乗り放題切符があるのをご存知でしょうか。
今回は導入篇として、都内最安級のフリーパス「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」の概要をご紹介します!
1日350円で東武鉄道の浅草-北千住、曳舟-亀戸間と9路線のバスが乗り放題に
みなさま、東京の下町と聞くとどのあたりを思い浮かべるでしょうか? 江戸時代の頃は武家屋敷の多い「山の手」に対して「下町」という言葉が使われ、概ね江戸城の東側にある町人居住地を指していたようです。要するに銀座・日本橋あたりも昔は「下町」だった訳ですね。
しかし明治以降の市域の広がりにより、まず隅田川の東側が「本所区」「深川区」として東京に組み込まれ、今では漫画・ドラマなどの影響もあってか、葛飾区・江戸川区辺りもしばしば下町と呼ばれるようになりました。一般的なイメージでは台東区・墨田区・江東区あたりを指すことが多いでしょうか。
今回紹介する「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」は、浅草・両国・押上・谷中といった一番下町色の強いエリアを周遊するのに適したきっぷです。特筆すべきはその値段の安さ。1日券500円、2日券700円という驚異の値段で、都区内で使えるフリーパスとしては東急の「世田谷線散策きっぷ」と並んで、最安の部類に入ります。その割にフリーエリアも広く、鉄道とバスの両方を使うことができるという特徴があります(下図参照)。
地図で見ると、千駄木から亀戸までのかなり広範囲をカバーしていることが分かり、しかも主要な観光地が集中している区間であることが、切符の価値をより高めています。ここからは、利用できる交通機関についてご紹介しましょう。
押上-上野間の移動に便利な「スカイツリーシャトル」も乗り放題に。さらに施設ごとの特典も
まず鉄道は、東武伊勢崎線と東武亀戸線が利用できます。伊勢崎線のフリー区間は北千住–浅草間で、亀戸線は全線乗り降り自由です。といっても亀戸線は曳舟–亀戸間の短い路線ですが。
また、上野から浅草経由で東京スカイツリーまで運行している「スカイツリーシャトル上野・浅草線」も乗り降り自由です。上野から押上方面に向かう場合、東京メトロと東武鉄道を乗り継ぐために割高になるのが悩みですが、スカイツリーシャトルを使えば上野から周遊きっぷを利用可能です。
その他、台東区内の循環バス「めぐりん」、墨田区内の循環バス「すみだ百景」も乗り放題となります。総武線沿線の浅草橋、両国、錦糸町といった主要駅にアクセスするのに便利な他、橋場、向島といった隅田川沿いに位置する、駅から距離がある区域にも運行されています。
さらに、施設によっては特典も用意されています。金額的にはおまけ程度ですが、元が安いので得した気分になりますね。この点は施設ごとにご紹介したいと思います。購入場所については、公式ページをご参照ください。
2日間700円で乗り放題の「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」、いかがだったでしょうか。次回からは、沿線の様子をご紹介します……と言いたいところですが、あまりにも見所が多すぎるため、1〜2駅ごとに紹介していく形式とします。
おそらく、過去最長の連載回数になるかと思いますが、その分良いネタを揃えていますので、よろしければ次の更新をお待ちくださいませ。次回は日本観光の中心地・浅草の様子をお送りします!