2021.02.19 1日350円で乗り放題!「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」で行く下町散策(浅草編)
2日間700円で東京の下町を巡れるフリーパス「台東・墨田東京下町周遊きっぷ」。前回の概要に続き、今回からはいよいよ実践編として、当切符の沿線の見所をお送りします。第1弾は言わずと知れた不動の国際観光都市・浅草。拠点としても使いやすい都内屈指の繁華街の様子を、写真と併せてご紹介します!
1400年の歴史が交錯する街! 現在も進化し続ける浅草の魅力
早速やってきました、浅草のメインストリート・雷門通りへ。交通手段は都営浅草線と東京メトロ銀座線、つくばエスクプレス、東武鉄道、都バスなどがあります。使いやすさで言えば都営かメトロですが、JRで来られない点を除いては一通りの路線が揃っています。
まずはフリーパスを手に入れるために、浅草文化観光センターへ。
サイネージに堂々といらすとやが使われているのが、時代の変化を物語ります。
フリーパスはまとめ買いもできますが、今回はとりあえず1枚。2日間有効で税込700円です。1日あたり350円という最安級の切符ながら、電車もバスも乗れるニクイやつです。東武鉄道の駅や浅草文化観光センターの他、パークス上野でも入手できますが、2021年2月現在は一時的に販売停止となっています。お住まいの地域によっては、上野で入手した方が便利かもしれません。
ちなみに観光センターの2階では周辺の観光情報を調べることができます。散策の最初に訪れると、見落としがなくなるかも?
東京メトロ銀座線で下車してまず目にするのが、説明不要の名所・雷門。浅草寺の玄関口ですね。
創建は推古天皇の頃とされており、平安時代に伽藍が建設されて門前町として栄えるという、江戸よりも古い起源を持つ街だったりします。江戸時代に入ると浅草寺の北に吉原ができるなど、繁華街としての側面が強くなっていきます。写真の仲見世通りも、江戸時代に原型が誕生したと言われています。
明治に入ると浅草六区が整備され、戦前に繁華街としての繁栄はピークに達します。落語や歌劇など、「演劇の街」という個性が出てきたのもこの頃です。戦後は池袋・新宿・渋谷といった新興の繁華街に押され気味なものの、最近のインバウンド需要もあって再び躍進。今も正月には大勢の参拝客で賑わうなど、東京最大の繁華街の一つという地位を保っています。
今回は周辺の商店街の様子を中心にお送りするので浅草寺は省略しますが、何度訪れても良いところです。2019年はインバウンド需要の中心地でしたが、2021年なら比較的余裕があるかもしれないですね。機会がありましたらぜひ。
靴屋にデパート、ディスカウントストアまで。観光地のようで普段使いにも使える浅草の商店街
浅草の商店街は仲見世通りを挟んで東西に広がっており、松屋浅草店から浅草六区のあたりまで「面」の広がりを持っているのが特徴です。観光地と思いきや、地元向けの安いお店が多いのも特徴で、意外と実用的なショッピングスポットだったりします。ここからはいくつかお店を紹介してきましょう。
まずは隅田公園の近くにある「靴の丸善」。靴の問屋さんが経営している激安靴屋です。
元々浅草は皮革業が盛んで、その流れから靴やカバンの問屋さんが多いという背景があります。本当に安いものからそれなりのグレードの靴まで品揃えに幅があるのも特徴で、「靴=浅草」のイメージに一役買っているお店です。
その他、アーケード街の中にある「ユニバース靴店」も有名な靴屋さんですね。靴で困ったら、まずは浅草へ。たいてい手に入ります。
日本のディスカウントストアの草分けにして、埼玉の激安スーパーの帝王「ロヂャース」も浅草に出店しています。小規模なお店ながら、なかなかの安さ。例えばパスタならディヴェッラの500gが税抜き98円など、他のスーパーの半額くらいの値段で売っていることもあるから驚きです。
周辺に問屋が集まっているせいかアウトレットもあり、写真のようなちょっと変わったネーミングのお店も。「余荷解屋(よにげや)」というアウトレットを体現した当て字が素敵です。
その他、最近オープンした浅草ROX・3Gは、入っているテナントからして本気すぎるラインナップです。GU、しまむら、西松屋という最強コンボに、リピートが止まりません。
また、駅としては田原町駅の方が近いですが、かっぱ橋道具街も浅草から徒歩圏内にあります。写真のコックの像はかっぱ橋を代表する問屋「ニイミ洋食器店」さん。明治40年(1907年)という、創業100年超の老舗です。
お店は基本的に問屋のため、閉店が早かったり土日に営業していなかったりということもあるのですが、プロユースとしては高い評価を受けているお店が多いです。食器のほか調理器具、仕出し用の容器なども売っています。
変わったところでは食品サンプル専門のお店なども。再現度の高い商品は見ているだけでも楽しいですね。ちなみに上野–押上間で運行しているスカイツリーシャトルはかっぱ橋を通過するので、フリー切符を使うならTX浅草駅から徒歩がオススメです。
その他、浅草六区のあたりでは演芸・演劇関連の建物をよく見かけます。戦前はエンターテイメントの中心地であった、浅草。今も変化しつつ発展していますので、時間があればその雰囲気を味わってみたいですね。
気分は九龍城? 昔の銀座線の雰囲気を残す浅草の地下商店街
さて、ここまでは地上を紹介しましたが、もう一つ特筆すべきなのが、浅草の地下街。規模は小さめながら、昭和レトロとも形容し難い独特の雰囲気は、一度見たら忘れられません。東武浅草駅前の入り口から、探検してみましょう。
商店街入り口のそば屋さん。ここからが未改装区域です。
中はご覧の通り、配管剥き出しの天井と薄暗い地下通路、そしてお店。昭和レトロというよりは九龍城のような雰囲気です。
設備に問題があるのか、どことなく下水の香りがします。行き止まりなどもあり薄ら寒い雰囲気ですが、人通りはあり治安の不安はありません。
東京オリンピックに合わせて東京も様々なところで工事が行われており、こうした昔の雰囲気を残す地下街は減りつつあります。今のうちに撮っておくと後悔しないかも?
外はキレイに改装された銀座線浅草駅。写真の右と左で世界が違います。
写真としては見応えがあるのですが、如何せん通路自体は短いのでカットの種類は割と限られます。商店街としても実用性も乏しいので、雰囲気を楽しみたい人用、といったところです。
歴史から取り残されたかのような、浅草の地下街。興味のある方はカメラ片手に寄ってみてはいかがでしょうか。
格安ラーメンに洋食。最高峰から廉価なものまで揃っている浅草のグルメ
一通り街並みも散策しましたので、続いてはグルメの紹介を。まずは昔ながらのラーメン屋「めん○(メンマル)」さん。浅草でもやや奥の方にある「ひさご通り」に位置しています。
ひさご通りの様子。右に見えるのが「めん○(メンマル)」です。
330円と安価ながら結構味がしっかりしており、小腹が減ったらまず寄って損はないお店です。スープ自体は古き良き東京醤油ラーメンの伝統を引き継いでいます。
続いては2軒目、浅草セントラルホテルの2階にある「ガスト 浅草雷門店」。見た目はただのファミレスですが、実はここ、朝食限定で食べ放題を行っていました(現在はコロナで休止中)。
値段も900円と割とリーズナブルで、株主優待券やジェフグルメカードも使えます。
朝食としては比較的多めのメニューに加えて、「深川めし」を食べられるのが大きなセールスポイントです。基本はホテルの朝食用といったところですが、一般ユーザーも利用可能にしているのが嬉しいポイント。貴重なお店だっただけに、食べ放題の復活が待ち遠しいですね。コロナ明けに期待です。
そして、3軒目はいよいよ真打、ハイエンドな洋食をご紹介します。浅草の「ヨシカミ」さんです。店の看板の「うますぎて申し訳けないス!」のコピーに絶対の自信を感じます。
基本的に土日は行列する超人気店なので、平日の方がオススメです。ランチタイムであればお得なセットメニューも頼めます。
今回は月曜に訪れたので、ビーフシチューとスパゲティーのセットで。税込1800円。
特にビーフシチューは、洋食ヨシカミの真髄と言われるほどの自信作で、普通に頼むと単品で2600円という高級メニュー。ランチ用は量が少なめですが、味を楽しむなら十分な感じです。
ホロホロに煮込んだビーフの食感は素晴らしいの一言。高級レストランにも引けを取らないのではないでしょうか。インバウンド需要の追い風もあり、国外にも多くのファンがいる逸品です。
スパゲティーは、昔の洋食屋で出していたようなナポリタン。懐かしくも洗練された味で食通を楽しませます。
最後はコーンスープとアイス。スープの方は主張しすぎないやさしめのコーンスープ。アイスの方はミルクの風味を感じる濃いめのバニラアイスです。
最近はハヤシライスが大変な人気だそうですが、お店としては今でもビーフシチューが看板メニューの一つのことです。惜しげもなくランチで出してもらえるというのはいいですね。ごちそうさまでした〜。
レストランも紹介したところで、そろそろ次の目的地へ。吾妻橋のたもとから東京スカイツリーを含めたビル群をパチリ。観光ガイドで必ず見かけるといってもいい有名なカットで、多くの観光客が足を止めるスポットです。右の「スーパードライホール」の上に載っているのはウn・・・ではなく、火の玉だそうです。安全上の理由で上向きにできなかったので横倒しになり、結果としてうんk・・・ゲフンゲフン。
交差点の中央には東武鉄道の玄関口、東武浅草駅が。ビル自体はデパート「松屋浅草店」になっています。ここを起点に亀戸、北千住方面に電車で移動できるのですが、すみだリバーウォークを利用して東京スカイツリー方面に向かうこともできます。続きは次回で。
第1弾としてご紹介した浅草駅界隈、いかがだったでしょうか。正直、浅草だけで1日以上かかってしまいそうなボリュームがあるので、数回に分けて訪れるのもオススメです。それでは、次回は2020年に開通した東京スカイツリーへの道「すみだリバーウォーク」をご紹介します!