2020.02.14 北海道2,000kmの旅(10)-いよいよ最終回。北海道最東端・根室のノサップ岬から札幌へ-
これまで9回にわたってお送りしてきた北海道2000kmの旅、今回が最終回となります。最後にお送りするのは、釧路から北海道最東端・ノサップ岬へのドライブ。野付半島とは別の意味で最果て感のある岬の様子を、道中も含めてご紹介します!
第1回 新千歳から稚内までのドライブの様子はこちら
第2回 稚内駅の様子はこちら
第3回 宗谷岬の様子はこちら
第4回 宗谷丘陵と紋別市内までのドライブ
第5回 紋別市内で見る北海道遺産・ガリンコ号
第6回 最果ての牢獄・網走監獄に見る北海道レトロ
第7回 遊覧船で巡る世界遺産・知床半島
第8回 世界の終わりを体験できる野付半島
第9回 阿寒湖・摩周湖・神の小池をめぐるドライブ
見渡す限り、原野。根室からノサップ岬への最果て道中
先日の阿寒湖と同じく、出発は釧路市内から。根室までの距離は国道44号線で120km、ノサップ岬までの距離は約140kmになります。写真は根室駅の手前10kmくらいの場所にある風蓮湖。サロマ湖のような汽水湖です。
橋の向こうが根室市街です。風景もなんとなく道東独特の空気が漂っています。
釧路より東には高速道路が一切ないのですが、代わりに道の駅はそれなりの間隔であります。風蓮湖のほとりにも写真のような建物が。
湖畔を眺めて一休みしてから根室に向かいます。
天気が良いときには印象が違いそうですが、曇り空も道東の雰囲気に合っていると思います。
風蓮湖から車で十数分、根室駅に到着しました。実は日本最東端ではない駅です。
駅の看板にも、日本最東端「有人」の駅とあります。本当の最東端駅は隣の東根室駅になります。そちらの様子は後でご紹介します。
駅前には観光案内所もあります。
ここで見つけた名物は「オランダせんべい」。北前船寄港地で時々売っているソフト煎餅の類です。船で輸送中の煎餅が湿気を帯びたのが発祥と言われる所に文化を感じますね。味は・・・コメントしないでおきましょう。情報を集めたら、いよいよノサップ岬に。
領土問題を考えさせられる? ノサップ岬の施設とモニュメント
根室駅を過ぎると、いよいよ風景も極まってきます。住宅がほとんどない道路を一路、岬へ。
原野、原野っ・・・!
道の他には何もない・・・
圧倒的・・・原野っ・・・・・!!
天気も相まってなかなか殺伐とした道中を抜けて、走ること30分。ついに到着しました。北海道東の最果て、ノサップ岬です。写真に見えるのは「オーロラタワー」という施設ですが、残念ながら入れませんでした。天気の良い日は、北方領土を見ることができます。
ここノサップ岬のモニュメントとして有名なのが、「四島のかけ橋」と呼ばれる作品と、中央で燃える「祈りの火」。どちらも北方領土返還運動の象徴として作られました。かけ橋の方は節が4つになっているのが細かいですね。
着いたときには雨が降っていましたが、祈りの火は消えることなく燃え続けています。ノサップ岬は歯舞群島をはじめとする北方領土に近いため、返還運動の先鋒としての役割を持っているようです。
別の角度からもう一枚。
ここからは、周辺の様子を何点かご紹介します。ノサップ岬に2つある施設の一つ「北方館 望郷の家」です。
入り口には「北方領土は日本の領土」と書かれています。入場無料ですが、かなり気合の入ったパンフレットが印象に残りました。
もう一つの施設「根室市観光物産センター」は閉館中のため、外観のみ(※写真は2016年のものです)。2020年現在は「根室市北方領土資料館」として開館しています。物産館が衣替えした辺りに、日露間の関係の変化が見え隠れします。
また、岬周辺には施設のほかに小さなモニュメントが多数ありますが、どれも「北方領土返せ」というメッセージ性の強いものとなっています。写真では多くを取り上げませんので、ご興味のある方は実際に訪れてみて、場の空気を体感してみると良いかもしれないですね。他の岬とは明らかに雰囲気が異なります。
最後にご紹介するのは、ノサップ岬の東端に位置する「納沙布岬灯台」です。通常の方法で訪問可能な日本の最東端になります。
近くで見た納沙布岬灯台。中には入れなかったのですが…
灯台の裏手には小屋があり、歯舞群島方面を見ることができます。
天気の悪さと「返せ北方領土」の大合唱が相まって、他にはない独特の空気が漂っています。領土問題については諦めずに、息の長い交渉を続けてほしいものです。
素通り厳禁。北海道有数のカキの産地・厚岸の道の駅
ここからはノサップ岬から札幌まで戻ります。その距離、およそ400km。東京ー名古屋以上の距離を車で帰るロングドライブですが、その前に何箇所か寄り道します。まずは日本最東端の駅・東根室駅へ。
この駅最大のアイデンティティが、デカデカと。そんなに大書しなくても分かりますがな。
駅としては、単線の無人駅です。周りは市街地なので利用者はいそうですね。いっそのこと根室駅との往復高頻度ダイヤでも良い気がします。
釧路ー根室間のダイヤは……お察しください。料金の上がり方が駅の少なさを物語ります。
ここからは車を走らせ、釧路から東に40kmほどの場所にある厚岸へ。牡蠣で有名なこの街には、道の駅「厚岸味覚ターミナル コンキリエ」があります。釧路ー根室間の通り道なので、目にすることも多いかもしれません。
道の駅からは、厚岸の市街地を見渡せます。早速中へ。
店内は、まさに牡蠣尽くし。1階はテイクアウト中心の売店です。
そして2階のレストランでは、道の駅ながら本格的な牡蠣定食がいただけます。
大粒の牡蠣が惜しげもなく使われた牡蠣丼は、味も折り紙付き。ここまで来てよかった、という気分になります。
また、建物内にはミニ水族館もあり、厚岸の海の幸に関する説明を見ることができます。入場無料です。
一通り牡蠣を堪能したら、次の目的地へ。次は時間を取って、市街地にも寄りたいですね。
最後は道東自動車道の手前にある、釧路市湿原展望台へ。
展望台の中は展示室になっていて、釧路湿原に関する説明などが展示されています。じっくり見る時間がないのが残念。
上からは、釧路湿原の景色が一望できます。道東のこの風景も見納めです。
釧路からは高速道路に入り、一路西へ向かいます。ここで注意したいのは、ガソリンの残量。道東自動車道は片側1車線、200km以上に渡ってガソリンスタンドなしという過酷極まる道中のため、先に釧路市内で給油しておきましょう。
暗い道中を走ること、5時間……
ついに着きました! 札幌です! すすきののネオンが目に眩しいなあと、しみじみと思います。
到着記念に、この日のディナーはジンギスカンで。「だるま」という有名なお店です。
新千歳から走ること2000kmのドライブも、無事に終えることができました。ここまで長距離のドライブは、北海道ならではですね。
翌日は札幌市内へ。オリンピック競技場などを見て、帰路につきました。お疲れ様でした〜。
道北・道東を一周した北海道2000kmの旅、いかがだったでしょうか。完結まで5ヶ月近くかかってしまいましたが、今回で 最後となります。既に立春も過ぎましたので、次回からは春を感じる記事を投稿していきます。ご期待ください!
根室振興局 ノサップ岬の紹介はこちら
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