2021.10.05 大地震わす四尺玉! 思いを伝える新潟・片貝町の奉納花火
毎年9月9日、10日に行われ、世界一の四尺玉を打ち上げることで知られる、片貝まつりの花火。新型コロナウイルスの影響で、2020年、21年ともに中止となりました。しかし、夏祭りや花火自体が、元々悪疫退散の願いを込めて行われたという側面もあります。
そこで今回は、せめて現地の空気感だけでもお伝えしたい! という考えのもと、2018年の写真で祭りを振り返ってみました。写真では伝えきれない部分もありますが、新潟県唯一の四尺玉を体験したときの感動を、一部でもお届けできればと思います。
片貝町へのアクセス手段
片貝町の花火は「浅原神社秋季例大祭奉納大煙火」が正式名称で、その名の通り浅原神社の奉納煙火として行われます。上のgooglemapの通り、最寄り駅の来迎寺駅から3km程度あるため、当日は小千谷駅、長岡駅などから臨時バスが運行されます。今回は小千谷駅から出発しました。
ちなみにどの駅も新潟県内のため、えちごツーデーパスが使えます。当ブログでも紹介していますので、気になる方は。
住宅街越しで見るなら無料。間近で見るなら桟敷席も
この日は夕方まで十日町にいたため、飯山線で越後川口駅に行き、そこから上越線に乗り換えます。左に写っているのは地方交通線などで使われる気動車「キハ110系」で、JR東日本の非電化路線で見ることができます。
ちなみに飯山線は1日の運行本数が10本程度という過疎路線としても知られ、3~4時間運行がない時間帯もあったりします。利用の際は事前にダイヤを確認しておきたいところです。
小千谷駅に到着しました。時間は18:20。片貝行きの臨時バスに乗り換えます。
越後交通のバスに乗って片貝へ。そこそこ乗っていましたが大行列というほどでもない感じです。どうやらマイカーで直接向かう方が多いようで、公式サイトにも最寄りとなる長岡南越路ICの渋滞に関する注意がありました。車で行く方はご注意ください。
片貝市街地の少し手前、マツダオートザム小千谷のあたりで下車。ここから浅原神社までは徒歩15分程度です。
明かりの少ない夜道ですが人の流れについていく形で町の中心部へ。
会場に到着。花火に対する思い入れの深さが伝わってくる、煙火番付。
提供元に石油資源開発株式会社が入っているのを見て、かつて新潟が産油県だった記憶がよみがえりました。今は採算が合わなくて採掘していないそうですが、そのうち出番があるかもしれないですね。
新潟県は片貝以外にも長岡、柏崎といった有名な花火大会を多く開催しています。花火王国の名前に偽りなし。
しかし、四尺玉花火を打ち上げるのは、新潟でも片貝のみ。日本全体でも2か所でしか見ることができません(もう1か所は埼玉県のこうのす花火大会)。ある意味、新潟県の頂点に位置する大会と言えるでしょう。
今回の花火を主宰する、浅原神社に到着。花火と同時に例大祭も実施されており、参道を山車が行き来します。
祭りらしく屋台も出て、大いににぎわっています。今見返すと「密だなあ……」と思ってしまうところに、コロナによる時代の変化を感じます。
境内には資料館も併設されているので、事前に見ておくと花火がより味わい深くなるかもしれません。
そうこうしているうちに花火が上がりました。桟敷席は神社の裏手に用意されていて、四尺玉花火を間近で見ることができるのですが、席料が1枡33,000円と高額なのがネック。1枡につき8人まで入れるので、団体向けの席という感じです。
ただし、少し離れれば住宅越しに見ることができます。周囲に高い建物がないのがいいですね。見られる範囲は割と広めなため、歩きながらベストポジションを探すというのもありそうです。
写真では伝えきれない感動。片貝町の夜空に炸裂する四尺玉花火の衝撃
ここからは、遠巻きに撮った写真を何枚かご紹介します。
片貝の花火は神社主催の奉納煙火のため、打ち上げごとに「○○さんから△△さんへ贈る大スターマイン」のようなナレーションが所々で入ります。そのため、打ち上げ間隔も競技花火と比べると長めに取られているという特徴があります。夏の夜空に打ち上げる、ダイレクトな思い。ある意味手紙のようなものかもしれません。
午後10時前になり、一通りの花火を消化したところで「いよいよ四尺玉花火を打ち上げます」という親切なアナウンスが入りました。カメラを構えてじっと待ちます。
暗闇を吹き飛ばすように、片貝の空に四尺玉が炸裂! 音もさることながら、打ち上げの瞬間に大地が震えるという、他と一線を画する体験が印象に残りました。こればかりは写真では伝わらないので、ぜひ実物をご覧いただければと思います。
メインイベントの後は、何発か残りを打ち上げて、終了。十日町から来てよかった~と思える一日でした。
花火の余韻もそのままに、撤収。
帰りは、これまた臨時バスに乗って、長岡駅へ。四尺玉花火を見ると東京方面への新幹線は間に合わないため、この日は長岡にホテルを取りました。片貝の花火は平日土休問わず同じ日に開催されるため、見に行くなら有休をとることも検討しておきたいですね。
ちなみに今回滞在していた十日町市では、3年に1回「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」というアートイベントを開催しています。7月~9月の開催のため、気になる方は花火巡りの予定に組み込んでみてはいかがでしょうか。次回はコロナの影響で、2022年夏になるそうです。
片貝町が誇る四尺玉花火、いかがだったでしょうか。打ち上げられた時の感動は写真では伝えきれないところもあり、まさに「大地震わす四尺玉」と呼ぶべき花火体験をすることができます。2021年は残念ながら中止となりましたが、気になる方は来年の9月を目指して、予定を調整してみはいかがでしょうか。