2019.05.13 3年に1度の祭典! 瀬戸内国際芸術祭の離島たち(直島編)
香川県高松港北西に12km、岡山県宇野港の近くに位置する直島は、1990年代からアートの島として町おこしを行い、現在では複数の美術館を有する一大拠点として知られています。2019年4月26日から始まった瀬戸内国際芸術祭でも主要会場の一つとなるこの島の様子を、前回の写真を交えながらご紹介します。離島ながら岡山県・香川県両方からアクセスの良い直島を、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
本数なら岡山県側からの方が便利? 直島へのアクセス
直島は岡山県宇野港から約2.2kmの位置にあるため、宇野発着のフェリーが一番本数が多くなっています。しかし、複数の島を巡るなら香川県の高松港も捨てがたいところ。そこで、直島行きの主な航路を一覧にまとめてみました。
港の名前 | 主な区間・本数 | 運賃 |
---|---|---|
宮浦港 (フェリー) |
高松-直島(宮浦):5往復 宇野-直島(宮浦):13往復 直島(宮浦)-豊島(家浦):3往復 |
片道520円/往復990円(高松) 片道290円/往復560円(宇野) 620円(豊島) |
宮浦港 (旅客船) |
高松-直島(宮浦):6往復 宇野-直島(宮浦):7往復 |
1,220円(高松) 片道290円/往復560円(宇野) ※宇野港発の夜間便は580円、往復割なし |
本村港 (旅客船) |
宇野-直島(本村):5往復 直島(本村)-豊島(家浦):直島発7本、豊島発6本(※) 高松-直島(本村):高松発3本、直島発2本(※) |
1,330円(高松) 620円(豊島) |
※豊島美術館の休館日(通常は火曜日)は本村港を通過するため利用不可。
※上記の他、小豆島(土庄港、坂手港、土庄東港)発のフェリーがあります。詳細はこちら
宇野-直島間が一番本数が多く、値段も安いです。特に宮浦港は20往復、片道290円という破格の安さと本数を誇ります。岡山駅から宇野駅に向かうのにやや時間がかかりますが(40分~50分程度)、直島に日帰りするなら第一選択肢と言えるでしょう。
また、直島・豊島間の本数もそれなりにあるため、一日で両方の島を訪れることも可能です。今回は高松発・二島周遊のルートを選びました。
それではここからは、直島にある名所を紹介しながら、日帰り旅のようすをお送りしましょう。まずは高松港から直島・宮浦港行きの旅客船に乗船します。
瀬戸内海では何度も見ることになる光景ですが、やっぱりきれいですね。
安藤忠雄先生の建築も見所の「地中美術館」
宮浦港に着いたら、バスに乗って地中美術館へ。ちなみに港周辺には草間彌生先生の赤カボチャがありますが、今回は乗り換えの余裕がなかったので断念。バスから降りると、既に行列ができていました。早速並びます。
地中美術館は、安藤忠雄先生のコンクリート打ち放し建築が特徴的な美術館です。収蔵数自体は少なく、モネの睡蓮とジェームス・タレル(大地の芸術祭「光の館」の人ですね)、ウォルター・デ・マリアの作品のみを展示しています。その分、1作品に一室丸ごと使う展示スペースが魅力です。ちなみにモネの睡蓮の部屋は土足禁止ですが、社内では床に敷き詰められた石に感動していた後輩がいたくらいなので、細かいところまでこだわって作られたことが伺えます。睡蓮を見る際は、ぜひ足元にも注目したいですね。現在、入場は予約制となっていますので、訪問前にはWEBサイトからお申込みください。
無駄を排した余白の芸術。「李禹煥美術館」
地中美術館を出て10分ほど歩くと、次の美術館「李禹煥美術館」が見えてきます。入口の様子からして現代アート感バリバリですね。
李禹煥先生は、心地よい繰り返しパターンやシンプルな構図が持ち味の、現代美術を代表するアーティストです。WEBデザインにも一脈通じる部分がありますので、興味のある方は事前に作品を調べてみるとより楽しめるかもしれないですね。美術館では、厳選された作品を安藤忠雄先生の建築で心ゆくまで見ることができます。
ベネッセハウス周辺~直島南側の海岸のようす
美術館を出てから海に向かって歩くと、アートの島・直島の拠点となる「ベネッセハウス」が見えてきます。4棟の宿泊施設とレストラン、美術館を備えた複合施設です。美術館などを併設している他、屋外には何点か作品も展示されています。
海岸沿いの道を歩いていると、半分埋まった鳥居がありました。しかし、参道は見当たりません。もともとは砂に埋もれていなかったのでしょうか。不思議な光景です。
松の木のたもとには、かつて讃岐に流された崇徳帝の歌碑が。悲劇的な結末を忘れさせてくれそうな穏やかな風景です。この辺でバスに乗り、豊島行きのフェリーがある本村地区に移動しました。
島の伝統芸能「直島女文楽」が実施される”直島ホール”
本村地区には、直島の伝統芸能「直島女文楽」を始め、様々なイベントに使用される多目的施設、「直島ホール」があります。直島女文楽は、その名の通り女性が演じる人形浄瑠璃で、かつて直島が天領だった江戸時代から始まったとされています。明治になって一時廃れるものの、戦後になって復活。ここ直島ホールで定期的に上演されるようになりました。アートの島・直島だけあって、建物も非常にかっこいい作りです。
外見はシャープなフォルムの日本家屋ですが、中は柔らかい雰囲気と自然光を生かしたデザインで、初めて見た方はそのギャップに驚くかもしれません。島の公共施設だそうですが、一目で徹底的に作りこまれたことが分かる、超一流の建築です。設計者は広島を拠点に活動する三分一博志先生で、今後の活躍が期待されます。上演日でなくても、ぜひ一度訪れたい施設ですね。
※公開時期には制限があります。詳細はこちら
直島ホールを出た後は本村地区の中心部へ。瀬戸内国際芸術祭の会期に合わせて、一部の民家を開放して寛げるようにしていました。フェリーの出発時間まで一休みします。
この後はフェリーで、豊島の家浦港に移動しました。
半日の滞在でしたが、「アートの島」直島の様子を駆け足でご紹介しました。しかし、じっくり作品を見たいという方もいらっしゃると思います。島内には泊まる場所も多くありますので、気になった方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
宿泊についての詳細はこちら
次回は直島の西、小豆島からは東に位置する”豊島”を、ご紹介します!
瀬戸内国際芸術祭のページはこちら
直島観光旅サイトのページはこちら
四国汽船株式会社のページはこちら
豊島フェリーのページはこちら
※当記事の写真は全て2016年3月に撮影したものです。現状とは異なる可能性がありますのでご注意ください。