2019.05.31 観光放水は6月下旬から! 黒部ダムの谷底に光る、虹の橋を撮ってみた

立山黒部アルペンルートの途中にある、年間約100万人が訪れる名所・黒部ダム。一般開放は4月中旬~11月ですが、ハイシーズンとなる6月下旬からは観光放水が始まります。この時期を狙って訪れる方も多いのではないでしょうか。今回は、去年の写真を交えつつ、黒部ダム放水時に見られる虹を撮ってみました。昨年で運行終了したトロリーバスとあわせてご紹介します!
黒部ダムへのアクセス

黒部ダムは、松本駅の北、大糸線信濃大町駅の西に位置する、富山県最東端のダムです。長野県側からは車かバスで向かいますが、扇沢駅以西は車道がありませんので、専用の電気バスに乗りかえます。今回は、松本からレンタカーで向かいました。
※扇沢までの他の交通手段としては、新幹線・鉄道・高速バスなどがあります。詳しくは下記リンクをご参照ください。
扇沢駅から黒部ダムへ。トロリーバス最後の記念乗車

まずは立山黒部アルペンルートの起点・扇沢へ。写真右にきっぷ売り場があります。

アルペンルートは通り抜けに7~8時間を要するため、各スポットの所要時間について説明があります。初めての人にはありがたい配慮ですね。扇沢から黒部ダムまでの運賃は片道1,540円、往復2,570円です。

時間になると改札が空くので、それまでは列に並びます。

駅ホームの様子。写真のトロリーバスは2018年11月で運行終了しました。今は新しい電気バスが走っています。

車両の後ろには、トロリーポールと呼ばれる集電装置があります。急カーブなどでしばしば架線から外れることがあり、なかなか扱いの難しい装置だったそうです。

トロリーバスは法律上は「無軌条電車」として扱われていますが、5~6両が並んで停車しているのを見ると、確かにそんな雰囲気があります。先頭車両から順次、黒部ダムへ続く関電トンネルに入ります。途中には、工事関係者を苦しめた「破砕帯」が。いまだに湧水が続いているのを見ると、通れるようにするだけでも大変だったんだな……という気分になります。

16分ほど乗車し、黒部ダム駅に到着しました。改めてみると、トロリーバスのデザインって武骨でかっこいいですね。今年から走る電気バスと比べても面白いかもしれません。

駅を出ると、展望台への道と黒部ダムに直行する道があります。今回は展望台を目指します。

展望台への階段は220段(ビル十数階分)もあるのですが、途中に給水ポイントがあります。水源は先ほど通った破砕帯です。

展望台に出ると、多くの方がめいめいに眺めを楽しんでいました。ここでしか買えないお土産品もあります。

そして、展望台の左には絶賛放水中の黒部ダムが。高さはありますが、アングルが今一つですね。

展望台からは、黒部湖を見下ろすカットの方がきれいな気がします。左下にある建物は黒部ダムレストハウスです。

一通り見終わったら、外階段を通って下に。ここから先が、黒部ダムで一番眺めの良い場所です。
運が良ければ見られる? 黒部ダムにかかる虹の撮影にチャレンジ

展望台を出たら、結構急な角度の外階段を下りてゆきます。目の前には夏の立山連峰がそびえ立ちます。

山の彼方には、日本最長のワンスパンロープウェイとして知られる大観峰駅が。今回は遠くから見るだけで。

階段の途中には、黒部ダム建設時に使った工具なども展示されています。写真はコンクリートバケット。要するにバケツですが、高さ3メートルくらいあります。

そして、何よりもスゴイのは外階段の作り。コンクリートの絶壁を渡ってゆきます。補修とか大変そうですね。

遠くから見ると、「ヒェェェ...」と声が出てしまいそうな光景は、蜀の桟道のようです。

角度を変えて補正をかけると、何やら現代アートのような雰囲気に。真ん中の補修跡もいい味出してます。

また、階段の途中でもダムを撮ることができます。展望台より正面に来る角度です。

日の丸構図でも相応にかっこよく撮れます。

外階段を下りたところで、黒部ダムレストハウスに来ました。ここでお昼にします。

もはや全国区になった感もある、名物「黒部ダムカレー」。最近ではよこすかカレーフェスティバルなどでも目にします。

お水はセルフサービスですが、おなじみの破砕帯の水が飲み放題。かつての苦労も、今では抜群にうまい飲料水に。水がいいとカレーも美味しいですね。

別のフロアでは、黒部ダムの歴史に関する映像が上映されていました。この辺りは小説「黒部の太陽」が詳しいので、一読してから訪れるとより味わい深いと思います。

ここからは、ダム付近をしばらく散策します。ダムの片方には今来たレストハウスと黒部ダム駅が。

そして、もう片方にはケーブルカーの起点となる黒部湖駅があります。

黒部湖駅きっぷ売り場の様子。大観峰・室堂方面に行く場合はここから乗車します。

その他、黒部湖を船から眺められる遊覧船もあります。湖上から見える立山連峰はまた違った雰囲気かもしれませんね。

遊覧船乗り場から先に行くと吊り橋があるのですが、この先は何とキャンプ場があるそうです。黒部ダムでキャンプ……。ちょっと想像がつかないですが一切車が来ない場所なので、自然が好きなら楽しめそうです。
この辺で日差しも出てきたので、黒部湖周辺を何枚か撮ってみました。



湖の色と白くゴツゴツした岩肌の組み合わせが、個人的にお気に入りです。

そして、黒部ダムの堰堤から下を眺めると……オオッ、虹が出ている! すかさず写真を撮ったのが上の一枚です。文句なしに、本日のベストショットでしょう。谷底にかかる虹の橋、いいですねえ。

そろそろ帰りのバスの出発時間も近づいてきたので、山を背景にレストハウスをもう一枚。そびえたつコンクリートが立体感出ていてナイスです。

扇沢まで戻ってきました。これでトロリーバスともお別れです。来年はどんなバスが走るのだろう、と考えながら次の目的地に向かいました。お疲れさま~。
今回は2018年の写真を使って、トロリーバスラストイヤーの黒部ダムをご紹介しました。2019年の観光放水は6月26日(水)から始まります。この記事を読んで興味を持たれましたら、新しい電気バスに乗って、絶景を訪ねてみてはいかがでしょうか。
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