2020.03.01 梅に対する印象が変わる! 「別格」という言葉がふさわしい京都・城南宮の神苑
国際的な観光都市として大人気の京都。特に4月の桜と11月の紅葉の時期は、路線バスに乗れないほどの混雑が続きます。できれば混雑を避けて、ゆっくり観光したいですね。今回は、京都が比較的空いている時期に見頃を迎える、城南宮の梅をご紹介します。
過ごしやすく、混まない。梅の見頃となる2〜3月の京都
みなさま、「京の冬の旅」というキャンペーンを耳にしたことはありませんか。1月〜3月にかけて、神社仏閣などの限定公開を中心とした企画ですが、「閑散期の集客」という側面もあります。春は桜、夏は祇園祭、秋は紅葉と、混む要素満載の京都ですが、冬はイベントなどが無い分比較的空いています。特にこれからご紹介する2〜3月の梅の時期は、以下の点でオススメできます。
・日没が比較的遅い(17:30〜18:00くらい)
・ホテルが取りやすい
・混まない(桜や紅葉の時期と比べて)
・青春18きっぷが3月1日から使える
・「京の冬の旅」の特別公開が見られる
・城南宮の神苑が素晴らしすぎる
最後だけ強調していますが、2〜3月の京都をお勧めする最大の理由が、今回ご紹介する城南宮だったりします。見る人の目を釘付けにする城南宮の梅。果たしてどのような場所なのでしょうか?
実は戦後の造園。作庭家・中根金作の会心の一作「楽水苑」
京都・城南宮は京都駅の南にあり、平安京遷都(794年)の際に創立されたと言われる、1200年の歴史を持つ神社です。しかし戦乱の影響も受けており、応仁の乱・鳥羽伏見の戦いなどの戦場になった歴史もあります。梅の名所として有名な神苑は、昭和中期に作庭家・中根金作氏によって造園されました。花もさることながら、庭園自体の完成度も高く評価されています。
地図で見ると、京都の観光地としては少し外れた立地にあります。京都駅からは地下鉄烏丸線か近鉄京都線に乗って、竹田駅で下車します。駅からは徒歩15分〜20分程度です。早速行ってみましょう。
駅から少し歩いて、城南宮の入口に到着。写真は竹田駅の最寄りとなる東鳥居です。京都駅の南に位置するためか、付近には工場などもあり、やや生活感のある立地です。
芹川天満宮の横を通って神苑入口へ。菅原道真公を祀った摂社です。
通り道の木にはメジロが。なかなか絵になりますね。
神苑入口へ。ここからは入場料が必要です。訪れたのが午前中のためか、割と余裕がある様子。
写真は神苑に入ってすぐ見られる「花の山」です。2月〜3月は「しだれ梅と椿まつり」が開催される、今回のメイン会場です。
梅は桜と比べると密度が低めなので写真に撮りづらい(ボリュームが出にくい)のですが、ここの梅は別格です。次元が違うという表現がしっくり来ます。
岩の上に椿が添えてあるのも粋ですね。
木の高さを考えると、縦写真の方が収まりが良いかもしれません。この辺はお好みで。
作庭家・中根金作氏は島根県にある足立美術館の庭も手掛けており、そちらも全国から人が押し寄せる完成度で知られています。「源氏物語花の庭」と名付けられた園内は、季節によって様々な表情を見せ、梅・椿が見頃を迎える早春は特に有名です。完璧な手入れ、という言葉が似合いそうな神苑。何枚か写真でご紹介します。
梅と椿のコラボレーション。構図を考えると、1枚の写真に収めるのは意外と難しいです。
早春の淡い緑の上に、椿の赤がよく映えます。
平安人でもないのに、「あはれ」と言ってしまいそうな一枚。
木の根や椿の落ち方も含めて、ちゃんと計算されているような気がします。
写真の上手い人なら、工夫次第でもっと良い写真が撮れそうですね。
接写気味の一枚。
このまま壁に飾っておきたくなるような構図です。
ライティングを狙ったカット。上手く撮るのは難しいですね。
光が強すぎると花の色がとんでしまうのが悩みどころです。
桜の時期と比べると混雑具合もそこそこで、天気も良く結構な枚数の写真を撮りました。帰り道は、オフシーズンな庭を通って出口へ。
季節外でも、常に手入れを欠かしていないことが伝わってきます。別の季節にまた訪れたいですね。
最後に1枚撮って…
先ほど通った鳥居へ。所要時間はゆっくり見て1〜2時間程度でしょうか。この後は別の梅を見るために奈良の方に移動しました。そちらの様子はまた別の機会に。
今回は、日本屈指と言ってもいい梅の名所・城南宮の神苑をご紹介しました。実際は梅も椿も同じくらい印象に残りますね。特に苔との相性が抜群で、早春の淡い緑によくマッチしていると思います。2020年の「しだれ梅と椿まつり」は3月22日まで開催していますので、京都の春の始まりを城南宮で、体感してみてはいかがでしょうか。